1.9. 不要になったイベントについて2

1.9.1. 状況の整理

前項 不要になったイベントについて では、既存のフィルターを用いた解決策を提案しました。
ここでは、不要となるイベントに対応するフィルターを用いた対応を考えてみましょう。
例えば今回のシナリオでは、後続のイベントの発生を待っているイベントには、["event_status", "progress"]というラベルを付与する設定をしました。
事前にこの設定がわかっているようであれば、["event_status", "progress"]のラベルを検知するフィルターを事前に作成しておくことで、対応することが可能となります。
また、不要になったイベントが複数ある場合にもこちらのフィルターを用いた一つのルールだけで対応するように設定することも可能です。
例えば今回のシナリオでは、Sorry画面の切り戻しのときに先行する結論イベントを参照しましたが、スケールインするときも先行するスケールアウトの結論イベントを参照する形で設定するとしましょう。
その場合、OASEを介さず手動でスケールインまで対応したら、Sorry画面切り替えだけでなく、スケールアウトのイベントも不要になります。
こうした場合のように、複数のイベントをTTL切れにする必要があるときにこちらの設定は役立ちます。

1.9.2. ルールの設定

では、実際にフィルターとルールの設定を行っていきましょう。

1.9.2.1. フィルターの設定

OASE ▶ ルール ▶ フィルター から、フィルター を設定します。
登録 ボタンを押し、以下のラベル付与の設定を追加していきます。
フィルター
表 1.74 フィルターの設定値

有効

フィルター名

フィルター条件

検索方法

True

kill_event

["event_status", "progress"]

キューイング

入力が終わったら、編集確認 ボタンを押して登録します。

Tip

フィルター名は任意で設定可能です。わかりやすいものを設定しましょう。
検索方法を「キューイング」とすることで、複数の不要なイベントに対応可能となります。

1.9.2.2. ルールの設定

フィルター「kill_event」を条件として、TTLを最小値に設定したルールを作成しましょう。
今回は、以下のような設定でルールを作成します。
表 1.75 ルールの設定値

有効

ルール名

ルールラベル名

優先順位

条件

アクション

結論イベント

フィルターA

アクションID

元イベントのラベル継承

結論ラベル設定

TTL

アクション

イベント

True

kill_event

kill_event

1

kill_event

True

False

["event_status", "==", "termination"]

10

Tip

ルール名やルールラベル名は任意で設定可能です。わかりやすいものを設定しましょう。
必要な結論イベントを発生させるためのルールなので、選択するアクションはありません。
結論ラベルは、イベントが判別しやすいものを設定しましょう。

1.9.2.3. 結果の確認

ではルールの設定から結論イベントが発生するまでを、イベントフロー 画面から確認してみましょう。
OASE ▶ イベント ▶ イベントフロー の画面では、時系列に沿ってイベントが発生している様子を確認できます。
TTLが短い結論イベントに ルール で設定したラベルが付与されていることも確認しましょう。
古いものから順に、["event_status", "progress"]が付与されたイベントが、["event_status", "==", "termination"]が付与されたイベントに置き換わっていくのを確認しましょう。
イベントフロー_結論イベント