1. 概要

1.1. はじめに

Exastro IT Automation(以下、ITAとも記載する)で対応しているAnsibleの実行環境種類は、「Ansible Core」「Ansible Automation Platform (AAP)」「Ansible Execution Agent」となります。
Ansible実行エンジンの特徴は次の通りとなります。
表 1.7 Ansible実行エンジンの特徴
Ansible実行エンジン
特徴
Ansible Core
シンプルで軽量: エージェントレスで、導入コストが低い。
詳細は Ansible Core 参照
Ansible Automation Platform (AAP)
ユーザー使用のAAP活用: 既にお使いのRed hat Ansible Automation Platform 環境と連携できる。
Ansible Execution Agent
実行ノードとの調和性: ITA本体と、実行ノード(クローズド環境)に配置されたAnsibleEngineとの連携による自動化機能。
動的なAnsible実行環境の構築: Ansible BuilderとAnsible Runnerを使った動的なAnsible作業実行環境の生成ができる。
詳細は Ansible Execution Agent 参照

1.2. 構成イメージ

Ansible Core 構成イメージ
Red Hat Ansible Automation Platform 構成イメージ
Ansible Execution Agent 構成イメージ

1.3. Ansible実行環境ごとの特徴

1.3.1. Ansible Core

Ansible Coreは、オープンソースの自動化エンジンです。 構成・構築ガイドはこちら
シンプルなYAML構文で記述されたプレイブックを使用し、SSHやWinRMなどの標準プロトコルを通じてリモートノードの構成管理、アプリケーションデプロイ、タスク自動化を行います。
エージェントレスであるため、管理対象サーバーに追加ソフトウェアをインストールする必要がありません。

注釈

導入コストが低いため、簡単なワークフロー実行などに適しております

1.3.2. Ansible Automation Platform (AAP)

Ansible Automation Platform (AAP) は、Ansible Coreを基盤としたエンタープライズ向けの自動化プラットフォームです。 構成・構築ガイドはこちら
ユーザーが現在ご利用中のRed Hat Ansible Automation Platform環境がある場合は、Exastro IT Automationとの連携で、より効率・効果的にご利用できます。

注釈

ご利用中のAAPとの連携で、資源を無駄なくご利用したい場合に適しております。

1.3.3. Ansible Execution Agent

Ansible Execution Agentは、Exastro IT Automationで実行する、「Ansible-Legacy」、「Ansible-Pioneer」、「Ansible-LegacyRole」の作業実行を、PULL型で行うためのエージェント機能です。
Ansible BuilderとAnsible Runnerを使った動的なAnsible作業実行環境となります。 構成・構築ガイドはこちら
Ansible BuilderとAnsible Runnerは、Ansibleの自動化をより柔軟かつ一貫性のある方法で実行するためのツールです。
これらはAnsible Automation Platformの基盤技術であり、独自の自動化実行環境を構築・管理する際に特に重要となります。
  • Ansible Builder
    カスタムの実行環境(Execution Environment)イメージを作成するためのツールです。
    特定のPythonバージョン、Ansibleバージョン、必要なコレクション、追加ライブラリなどをパッケージ化し、コンテナイメージとして定義できます。
    これにより、自動化が常に同じ環境で実行されることが保証され、環境差異による問題を排除できます。
  • Ansible Runner
    実行環境内でAnsibleプレイブックやモジュールを実行するためのツールです。
    Runnerは、コンテナ化された環境でAnsibleを実行するロジックを提供し、実行のライフサイクル(環境のセットアップ、プレイブックの実行、結果の収集)を管理します。
これらを活用することで、以下のような動的な自動化環境を構築できます。
  • 実行環境の標準化
    開発、テスト、本番といった異なるフェーズで、全く同じAnsible実行環境を使用できます。
  • 依存関係の分離
    プロジェクトごとに異なる依存関係を持つ実行環境を作成し、競合を避けることができます。
  • 効率的な配布とデプロイ
    必要なすべての依存関係が組み込まれたコンテナイメージとして実行環境を配布・デプロイできるため、環境構築の手間を削減できます。

注釈

Exastro IT Automationとの連携により実行ノードへの構築のカスタムの自動化ニーズや特定の依存関係を持つ複雑な自動化ワークフローを管理する際に大きな力を発揮します。