OASE Agent on Docker Compose - Online

目的

本書では、Exastro IT AutomationにおいてOASEを利用する際に、外部との連携に必要となる、Exastro OASE Agentを導入する手順について説明します。

特徴

OASEを利用するための絶対条件である、Exastro OASE Agentの導入方法となります。
Docker Compose を利用することで、Exastro OASE Agentを簡単に起動することが可能です。
Exastro OASE Agentの設定や運用については、エージェント概要 をご参照ください。

前提条件

  • Exastro IT Automationについて

    Exastro OASE Agentの運用には、Exastro OASE AgentとExastro IT Automationのバージョンが一致している必要があります。
  • デプロイ環境

    動作確認が取れているコンテナ環境の最小要求リソースとバージョンは下記のとおりです。
    表 36 ハードウェア要件(最小構成)

    リソース種別

    要求リソース

    CPU

    2 Cores (3.0 GHz, x86_64)

    Memory

    4GB

    Storage (Container image size)

    10GB

  • 動作確認済みオペレーティングシステム

    以下は、動作確認済のバージョンとなります。

    表 37 オペレーティングシステム

    種別

    バージョン

    Red Hat Enterprise Linux

    バージョン 8

    AlmaLinux

    バージョン 8

    Ubuntu

    バージョン 22.04

  • 動作確認済みコンテナプラットフォーム

    手動でインストールする際には、下記のコンテナプラットフォームを準備してください。 以下は、動作確認済のバージョンとなります。

    表 38 コンテナプラットフォーム

    ソフトウェア

    バージョン

    Podman Engine ※Podman 利用時

    バージョン 4.4

    Docker Compose ※Podman 利用時

    バージョン 2.20

    Docker Engine ※Docker 利用時

    バージョン 24

  • アプリケーション

    sudo コマンドが実行できる必要があります。

警告

Exastro OASE Agent のプロセスは一般ユーザ権限で起動する必要があります。(rootユーザーでのインストールはできません)
また、利用する一般ユーザは sudoer で、全操作権限を持っている必要があります。

インストール

準備

はじめに、各種構成ファイルを取得します。docker-compose.ymlなどの起動に必要なファイル群を取得します。
git clone https://github.com/exastro-suite/exastro-docker-compose.git
以降は、exastro-docker-compose/ita_ag_oaseディレクトリで作業をします。
cd exastro-docker-compose/ita_ag_oase
環境変数の設定ファイル(.env)を、サンプルから作成します。
リスト 168 (Docker利用時)サンプルからコピー
cp .env.docker.sample .env
リスト 169 (Podman利用時)サンプルからコピー
cp .env.podman.sample .env
末尾のパラメータ一覧を参考に、起動に必要な情報を .env に登録します。
vi .env

起動

docker もしくは docker-compose コマンドを使いコンテナを起動します。
リスト 170 docker コマンドを利用する場合(Docker環境)
docker compose up -d --wait
リスト 171 docker-compose コマンドを利用する場合(Podman環境)
docker-compose up -d --wait

パラメータ一覧

Exastro OASE Agentの仕様と一部のパラメータの関連については、OASE Agentの処理フローと.envの設定値 にて説明しています。

パラメータ

説明

変更

デフォルト値・選択可能な設定値

NETWORK_ID

OASE エージェント で利用する Docker ネットワークのID

20230101

LOGGING_MAX_SIZE

コンテナ毎のログファイルの1ファイルあたりのファイルサイズ

10m

LOGGING_MAX_FILE

コンテナ毎のログファイルの世代数

10

TZ

OASE エージェント システムで使用するタイムゾーン

Asia/Tokyo

DEFAULT_LANGUAGE

OASE エージェント システムで使用する規定の言語

ja

LANGUAGE

OASE エージェント システムで使用する言語

en

ITA_VERSION

OASE エージェント のバージョン

2.3.0

UID

OASE エージェント の実行ユーザ

不要

1000 (デフォルト): Docker 利用の場合

0: Podman 利用の場合

HOST_DOCKER_GID

ホスト上の Docker のグループID

不要

999: Docker 利用の場合

0: Podman 利用の場合

AGENT_NAME

起動する OASEエージェントの名前

ita-oase-agent-01

EXASTRO_URL

Exastro IT Automation の Service URL

http://localhost:30080

EXASTRO_ORGANIZATION_ID

Exastro IT Automation で作成した OrganizationID

必須

無し

EXASTRO_WORKSPACE_ID

Exastro IT Automation で作成した WorkspaceID

必須

無し

EXASTRO_USERNAME

Exastro IT Automation で作成した ユーザー名

※ユーザーのロールが、OASE - イベント - イベント履歴メニューをメンテナンス可能である必要があります。

admin

EXASTRO_PASSWORD

Exastro IT Automation で作成した パスワード

Ch@ngeMe

EVENT_COLLECTION_SETTINGS_NAMES

Exastro IT Automation のOASE管理 エージェント で作成した イベント収集設定名

必須

無し※カンマ区切りで複数指定可能

ITERATION

OASE エージェント が設定を初期化するまでの、処理の繰り返し数

10(下限値: 10)

EXECUTE_INTERVAL

OASE エージェント のデータ収集処理の実行間隔

5(下限値: 3)

LOG_LEVEL

OASE エージェント のログレベル

INFO

アップグレード

Exastro OASE Agentのアップグレード方法について紹介します。

アップグレードの準備

警告

アップグレード実施前に、バックアップを取得しておくことを推奨します。
バックアップ対象は ~/exastro-docker-compose/ita_ag_oase/.volumes/ です。

リポジトリの更新

exastro-docker-composeリポジトリを更新します。
リスト 172 コマンド
1# exastro-docker-composeリポジトリの確認
2cd ~/exastro-docker-compose/ita_ag_oase
3git pull

デフォルト設定値の更新の確認

デフォルト値の更新を確認します。
インストール時に作成した設定ファイル ~/exastro-docker-compose/.env とアップグレード後の設定ファイルを比較します。
リスト 173 コマンド
cd ~/exastro-docker-compose/ita_ag_oase

# OSがAlmaLinuxまたはUbuntuの場合
diff .env .env.docker.sample
# OSがRed Hat Enterprise Linuxの場合
diff .env .env.podman.sample

設定値の更新

デフォルト設定値の比較結果から、項目の追加などにより設定値の追加が必要な場合は更新をしてください。
設定値の更新が不要であればこの手順はスキップしてください。

アップグレード

アップグレード実施

アップグレードを実施します。
リスト 174 コマンド
cd ~/exastro-docker-compose/ita_ag_oase
リスト 175 docker コマンドを利用する場合(Docker環境)
docker compose up -d --wait
リスト 176 docker-compose コマンドを利用する場合(Podman環境)
docker-compose up -d --wait

アンインストール

Exastro OASE Agentのアンインストール方法について紹介します。

アンインストールの準備

警告

アンインストール実施前に、バックアップを取得しておくことを推奨します。
バックアップ対象は ~/exastro-docker-compose/ita_ag_oase/.volumes/ です。

アンインストール

アンインストール実施

アンインストールを実施します。
リスト 177 コマンド
cd ~/exastro-docker-compose/ita_ag_oase
リスト 178 docker コマンドを利用する場合(Docker環境)
# コンテナのみ削除する場合
docker compose down

# コンテナ+コンテナイメージ+ボリュームを削除する場合
docker compose down --rmi all --volumes
リスト 179 docker-compose コマンドを利用する場合(Podman環境)
# コンテナのみ削除する場合
docker-compose down

# コンテナ+コンテナイメージ+ボリュームを削除する場合
docker-compose down --rmi all --volumes
リスト 180 コマンド
# データを削除する場合
rm -rf ~/exastro-docker-compose/ita_ag_oase/.volumes/storage/*